郡山市福島空港活用促進協議会

活動レポート

写真 郡山市民の翼、桂林・上海へ。
日中交流の輪レポート

<平成13年11月18日〜22日>

福島空港国際路線の活用促進を目的にした郡山市、商工会議所の「郡山市民の翼」(団長・藤森英二市長)が、平成13年11月18日から5日間の日程で中国の桂林・上海を訪問しました。平成7年以来、回を重ねるごとに市民に定着した感の市民の翼。世界貿易機関(WTO)への加盟承認で、経済交流促進への期待も高まるなか、今後の友好の可能性も探った研修旅行となりました。
市民の翼は、1995年から継続して実施しており、7回の派遣にこれまで約1,000人の市民が参加しています。県内の自治体で毎年、これだけの市民を派遣しているのは郡山市が唯一で、空港活用促進の原動力として成果を挙げています。
中国東方航空福島支店(郡山市)によると、上海路線の利用状況は、平均搭乗率が99年は52%、2000年が54%、2001年10月までで58%と順調に推移しています。黄青平支店長は、「路線開設から3年間の目標を60%に置いており順調に伸びています。さらに需要の掘り起こしは可能でしょう」と期待感を込めて話しています。さらに「福島空港は『県民の空港』という意識で、皆さんに利用していただきたい」と続けます。

写真●変ぼう著しい上海

18日午後5時過ぎ。市民の翼の一行122人を乗せた中国東方航空MU-542便が上海浦東空港に到着。夕暮れの上海郊外をバスは一路、市街へ。高速道に沿うように大きな橋脚が規則的に並んでいます。
バスは南浦大橋を渡り、上海中心部へ。電力事情が悪く、街並み全体は薄暗いものの、林立ちする高層ビル群にバスの窓越しに目を見張る参加者たい。過去にも市民の翼で中国を訪れた人も多いが、一様に上海の変ぼうぶりに驚いた様子でした。
人口1,500万人を抱える国際都市・上海。さらに300万人から400万人ものビジネスマンがひしめく大都市は、数カ月、1年単位でガラリとその街並みの様相を一変させます。


写真●2大都市に見える活気

中国では、豊かな自然と急ピッチで進む都市開発の波が当たり前のように混在しています。
日程3日目の20日、市民の翼一行は国際観光都市・桂林で漓江(りこう)下りを楽しみました。青空の下に連なる奇峰、川面に浮かぶ小舟に参加者は時間を忘れて見入りました。
年間900万人もの観光客を魅了する観光都市・桂林は、一方で工業都市の面も併せ持っています。製薬、ゴム、エレクトロニクス関係の企業が立ち並び、日本との合弁企業も誘致しています。かつては、織物工場からの廃液などで環境汚染が問題になっていましたが、今ではそうした工場の姿は消えています。街づくりも順調に進み、市街地では25の橋が建設中。850もの公共トイレを一挙に整備した“トイレ革命”で環境美化にも取り組んでいます。
漓江下りを終え同日午後、市内観光を楽しんだ一行の目に飛び込んできたのは、至る所で進む工事風景と通りにあふれる人の波でした。4、5年前とはすっかり街並みも変わり、治安も良くなっているとのこと。
もう一つの訪問地、上海市では変化のスピードはさらに速い。昨年の北京・上海の旅に続いて参加したある市民は、「開発の進み方が速く、表通りは東京以上のスケール。ただ、一歩裏手に入ると、昔の生活を思い出すような街並みですね」と印象を話していました。
建設ラッシュで刻々とその表情を変えている上海は、大気汚染という問題を抱えていますが、その対策として公園整備が全市的に進められています。7年前の市民一人当たりの緑地面積は0.5m2でしたが、今では7m2にまで増えています。郡山市の一人当たりの公園面積9.4m2(1999年度)には及ばないものの、確実に伸びています。
新しい顔と古い顔が同居しながら変化し続ける二大都市訪問に、一行は中国の活気を肌で感じ取っていた様子でした。

写真●新しい友好と友情

研修旅行2日目の19日。夕食会場となった桂林市内のホテルで、市民の翼団長の藤森英二郡山市長と、桂林市の唐誠助役の固い握手を交わし、今後の交流を誓い合いました。今回の旅の成果を象徴する光景に、見守る団員たちからは大きな拍手が送られました。
招かれたのは唐助役と桂林市外事弁公室礼賓所の叶兵副所長の二人。市の要人がこうした席に出席するのは異例のことで、晩さん会は和やかムードのなか、セレモニーで幕を開けました。
桂林市は中国の西部開発の重点地区として、さまざまな面で優遇政策を受けています。記念品を交換し合った両氏は、団員を交えながらこれからの親交の可能性について語り合いました。
郡山商工会議所の佐々木寛侑専務理事は、今回の旅を「中国の活力を市民に肌で感じてもらうのが大きな目的」としながら、「地方都市としても、独自に経済交流を進めていく必要がある」と力を込めます。
桂林・上海の二大都市を訪れた市民の翼。122人の団員たちは中国のスケールを目の当たりにして、郡山市、本県をあらためて見つめ直す絶好の機会となりました。藤森市長は解団式で「新しい友好と友情が育まれたのではないかと思う。そして、中国の街づくりを郡山市にも役立てていきたい」と話し、研修旅行を締めくくりました。

▲戻る

郡山市福島空港活用促進協議会