日本最大のウインドファームが福島県猪苗代湖を見下ろす郡山市湖南の布引高原で試験運転に入った。07年1月末から本格送電を開始する。

 Jパワーが、標高1100メートルの高原野菜・ダイコン畑の230ヘクタールにドイツ・エネルコン製の2000キロワット風車33基を設置した。磐梯山を真正面にしたこの高原で吹く風は年間を通し7メートル。冬季は特に恵まれている。年間利用率は22%(発生電力量1億2500万キロワット時)を予想、電気は湖の近くにある変電所で15万ボルトに昇圧し、東京電力へ全量を供給する。総工費は120億円。

 電気料金は相対取引のため非公表。電気の価値とRPS法(新エネルギー等利用特別措置法)に基づく環境の価値を合算した額での供給となるが、「環境の価値の上限の1キロワット11円はかなり下回る」(関係者)とも。

 日本の風力発電は合計130万キロワットを突破することになる。2010年に300万キロワットを目指す国の当面の目標は、資源エネルギー庁の補助金申請プロジェクトを合わせると達成可能な数値となりつつある。(日刊工業新聞06.11.15)